モタード専用マシン ハスクバーナFS450を使ってます。
年式は2016年型 現行から数えると2世代前の車体です。
入手したのは2019年8月 お盆終わりに東のプロクラス選手が使っていたものがドンブラコと流れてきました。
前の持ち主は特注のサスペンションに交換して乗っていて、そのサスは貰えなかったので受け取った段階では完全なノーマル車両でした。
基本的にFS450使いの選手は関東に固まっています。
理由は単純でFS450を得意とするショップやチームがあちらにしかないからです。
エンデューロ界のBETAが同じような立ち位置です。
モタード専用機を謳うこのマシンですら色々と手を加える必要があるのでショップの助けがないと色々と辛い部分が多い。
FSの前はKTM450SMRを使っており、まあソコソコのタイムで走っていました。
キンスポ40.1 琵琶スポ46.2 神戸 47.2 美浜 47.4
タイムで言うならこのマシンでも問題はなかったのですが
1 セルがない
2 直線速度が遅い
ダート区間の再始動性はレース結果に直結します。
直線速度は競り合いに必須です。
確実にA級昇格したい2019だった自分は上記2つの問題から乗り換えを決意しました。
普通バイクの乗り換えとなれば心躍る所ですがレース用マシンをシーズン中乗り換えとなると話はだいぶ変わります。
メンドクサイの一言に尽きます。
まして車体を受け取ってからSUGO選手権まで2週間もありませんでしたからね
受け取ってから先ずやったことは
・450SMRのブレーキシステムを丸ごと移植
・ハイスロットル化
・サスセットをなんとか乗れる程度に変更してもらう(自分はいつもとある全日本ライダーに金払ってやってもらってます)
これだけやってとりあえずキンスポでテストし40.7秒
この第一段階仕様の特徴はフロントフォークに粘りが無さ過ぎてブレーキを加減しながらかけなければ乗れないという点です。
直線での速度は明らかに速くなりましたがコーナー全てが格段に遅い。
何よりも疲労が激しい インジェクション特有のレスポンスとブレーキの難しさが効いています。
仕様変更
SUGO選手権から帰って直ぐに仕様変更を掛けました。
前後のスプリングを変更
フォークのプリロードを強化
この第二段階仕様でキンスポをアタックし39.9秒までタイムを上げました。
フォークの悪さが解消され、ある程度までコーナリングスピードを上げることができました。
ちなみに師匠はこの仕様で38.8秒を出しておりこのマシンが関西最速のFS450となっています。
縦の速度について
FSに乗り換えてストレートが速くなったという体感の話をしましたが、データ的なところはどうなのか?
前述した師匠は自前の13年式CRF450でキンスポを38前半でラップします。
その際のストレートにおける最大速度とFSに乗った際の最大速度を比較すると約2キロほどFSの方が勝っていました(ちなみにKTM4507SMRはCRFより5キロほど遅い)
当然最終コーナーでの脱出速度や開け始めもCRFに乗っているときの方が速い筈です。それでもエンジン出力で速度を逆転してしまうわけです(FSのスプロケは本人の指定を装着)
結論
FS450はイイゾ
完全なノーマル状態で速く走れるマシンではないもののバネ変更の必要もなくここまで走れるのはコストパフォーマンスにおいて最高のモタードマシンです。